本文へジャンプ
近畿「道の駅」ユーザーズくらぶ

道の駅レポート

さっさ〜の 2006近畿道の駅スタンプラリー奮闘記

第21回 じゃばらの里で道の駅めぐり


水と緑に溶けこむような道の駅

2007年1月6日土曜日、昨夜から崩れた天気は未だ回復の兆しはなく、冷たい雨粒を滴らせている。今日は道の駅おくとろ1ヶ所のみの訪問予定である。効率は悪いのだが、公共交通機関が極めて限られているので仕方がない。新宮駅を7:44分とちょっと遅めの出発。多気行きのキハ40ディーゼルカーは補習と思しき高校生の集団を乗せている。新宮駅を発車して間もなく、熊野川を長い鉄橋で渡り、三重県に入る。

北山村営バス
北山村営バス
和歌山県の道の駅を訪問するはずだが、アクセスはまたも三重県からとなる。それには特別な事情があるが、それは後ほど。列車は熊野灘を眺めつつ、紀宝町ウミガメ公園やパーク七里御浜をかすめながら熊野市へ到着。近くの喫茶店でモーニングなどいただいていると、おくとろへの唯一の公共交通機関である北山村営バスがやってきた。20人も乗れば満員となりそうなマイクロバスであるが、地元の交通弱者の方にとっては頼もしい“足”に違いない。

9:10の定刻になり、運転手が「そろそろ行きましょうか」と言って出発。乗客は小生のみである。しばらくは熊野市街地を走るが、10分もしないうちに次第に山深くなってきた。道路も2車線から1車線となり、くねくねと蛇行を始める。運転手は毎日通る道だから慣れているのだろう、そこそこのスピードで急カーブも回っていく。たまに対向車に出くわして、キーッ!と急ブレーキをかける有り様で、思わず手に汗を握る。崖から転げ落ちたらひとたまりもなかろう。山また山の険しい道ながら、所々に集落があり、その一帯だけ生活感が漂っている。

道の駅おくとろ
道の駅おくとろ
七色集落を過ぎるともうひとつ峠を越えてやっとこさ北山村へ入った。北山集落は北山川に沿って細長く伸びている。その集落の果てが終点のおくとろ公園で、道の駅おくとろでもある。熊野市を出てからちょうど1時間のスリル満点の旅路であった。

熊野市ではやや強く降っていた雨がここ北山村では小降りとなった。山から立ち上がる水蒸気があたり一面に立ち込め、さながら水墨画のような景観を展開している。晴れたときもいいが、こんな雨の日もなかなかの光景である。道の駅おくとろは公園内の川沿いにぽつんと建っていた。まるで水墨画の中のひとつの風景のようでもある。天候がよくないせいか、あたりに人気はなく、公園も閑散としている。道の駅内に入るとお客さんの姿もなく、店員さんも手持ち無沙汰といった感。性格的にこんなときは何か買わずに店を出づらい。とりあえずはスタンプを捺して、記念きっぷを購入しておく。

店内はじゃばら一色
店内はじゃばら一色
改めて店内を見回すと、まさに「じゃばらづくし」といった様子。じゃばらというミカンみたいな果物は小耳にはさんだことはあるが、家の近所のスーパーで見かけることはなく、正体は不明だ。そこで、いろいろとパンフレットを物色していると、じゃばらについて詳しく説明している文献が見つかった。それによると、じゃばらは柚子やカボスの仲間で昔から北山村に自生していた柑橘系果実で、専門家の調査で国内はもとより世界に類のない新しい品種ということが判明したとのこと。大きさはふつうのミカン程度、とても酸っぱいので、主にしぼって果汁として利用することが多いそうだ。さらには日本食品学会でアレルギー抑制成分が多く含まれることが発表され、機能性食品として脚光を浴びるようになった。特に花粉症にも効果があるとのことで、注目度が急上昇している。今のところ、北山村だけでしか栽培されていないとのことなので、村じゅうでじゃばらを盛り上げようという熱気にあふれている。ところで、なぜ「じゃばら」という名前なのかというと、「邪気を払う」というところから来ているらしい。

吊り橋の上から。水墨画みたい。
吊り橋の上から。水墨画みたい。

おくとろ公園には温泉も併設されているが、日帰り入浴は12時からということなので、しばらく集落を散策する。民家の庭に柑橘系らしい樹木があるが、これがじゃばらの木かどうかは定かではない。さらに歩いていくと公園のはずれに鉄製の吊り橋があり、北山川の対岸へ渡ることができる。試しに渡ってみたものの、対岸には何もなく、なぜこんなところに橋を架けたのかわからぬ。でも橋の上からの眺めはなかなか素晴らしい。

小雨も降っているのであまり遠くまで歩くのはうっとおしく、11時すぎにおくとろ温泉に行ってみたら、早いけどオープンしてくれた。今日の一番風呂いただきである。入口には「当館の温泉は出し放しです」とある。掛け流しというのは聞いたことがあるが、出し放しというのは…?そそくさとまだ無人の風呂へ直行する。

おくとろ温泉のうたせ湯
おくとろ温泉のうたせ湯
小ぢんまりとした内湯に入ると、お湯はやや白っぽく、かすかにイオウの匂いがした。泉質は単純硫黄泉である。内湯にどっぷりと浸かった後は、露天風呂に向かう。露天には打たせ湯もあったりして、修行僧のように打たれてみる。露天に入ると雨粒にも打たれる。まだ誰も入ってこないので、思う存分手足を伸ばし、内湯と露天を行ったり来たり、久々に温泉をゆっくりと堪能することができた。温泉を出て、ロビーでじゃばらドリンクなどを飲みながらしばらく休憩。時間はたっぷりある。帰りのバスは15:15まで無く、なんとおくとろで5時間を費やさねばならぬ。九頭竜の4時間を超えた。夏場ならばいかだ下りを楽しむこともできようが、冬場は温泉でも無ければ何をして5時間を過ごせばよいのか悩んでしまうところだ。

風呂上りにおくとろ鍋を
風呂上りにおくとろ鍋を

しばらく休憩した後、お昼時となったので温泉隣のお食事処きたやまで昼食とする。今回はおくとろ鍋を注文。豚肉、エビ、新鮮野菜などをふんだんに使った水炊き風の鍋である。うどんまで付いていた。

すっかり満腹となって腹ごなしに再び村内を散策。雨はすっかり上がって、ところどころに青空がのぞくようになった。手近な坂を上っていくと小さなお寺があり、案内板では室町時代の創建というからかなり古くからこの地は開けていたということになる。なぜこの地が古くから開け、飛び地となっているのかというと、この土地の産業と水運に深い関係がある。昔からこの村は林業が盛んだった。しかしこんな山の中から木材を運ぶには陸路では難しい。そこで木材の輸送手段として北山川の水流を利用してきた。北山川を下り、熊野川に合流して新宮まで木材を運ぶという輸送ルートが確立していた。明治時代の廃藩置県で熊野川と北山川を境に奈良、三重、和歌山と分ける際に、本来なら奈良県に入るべきところが、林業を通して新宮とのつながりが強かったので和歌山県になったそうだ。日本全国に飛び地は多数存在するが、自治体全部が飛び地というのは北山村だけである。それを記念して、訪問証明書なども用意されている。訪問証明書に付いているはがきに北山村の感想等を書いて応募すると、抽選でプレゼントがもらえるらしい。

歩き疲れて道の駅まで戻ってきたところで、じゃばらジュース、じゃばらようかん、じゃばらキャンディーなどじゃばらづくしのお土産を購入する。たくさん購入してしまい、持って帰るには多すぎるので宅配便で送ってもらうことにした。宅配便代が結構高かった。そして、しばし店員さんと談笑して時間を過ごす。最後にじゃばらシャーベットまで食べた。今日は北山村でけっこうお金を使ったのではないかと思う。

やっと帰りのバスの出発時間が来て、来たときと同じ運転手さんに熊野市駅まで運んでもらう。珍しく?途中からお客さんが一人乗ってきた。熊野市から新宮へ出て、新宮からオーシャンアロー号で紀伊田辺まで大移動。駅前のビジネスホテルへチェックインして、近くの居酒屋で夕食をと思いきや、土曜日に新年会も重なってか、手ごろな居酒屋はどこも満員。せんなく、スーパーで食材を買い込み、薄暗いホテルの部屋でしょぼい夕食となってしまった。今回で71駅目。残り24駅となった。(第21回・了)

第21日目行程表

2007年1月6日(土)

新宮(744)−[326D]熊野市(820/910)−[北山村営バス]おくとろ公園(道の駅おくとろ)(1010/1515)−[北山村営バス]熊野市(1615/1623)−[331C]新宮(1658/1758)−[オーシャンアロー36号]紀伊田辺(1945)

注:ダイヤは2007年1月6日現在のものです。お出かけの際には事前に関連機関にご確認ください。

データハウス

第21日目のデータ天候雨のち曇体調良好2007年1月6日
交通費\2,400訪問駅数1駅近畿達成率1.05%全国達成率0.12%
飲食代\4,276移動距離189.0km移動時間3.97h全行程時間11.02h
宿泊費\4,500平均速度47.6km/h表定速度17.2km/h駅滞在時間5.08h
入場料\500平均速度は移動にかかった速度、表定速度は乗継時間・駅滞在時間も含めた速度
遊興費\0歩数11,976歩歩行距離6.0km消費カロリー397kcal
土産物代\5,730温泉1ヶ所足湯0ヶ所ソフトクリーム1本
雑費\383費用合計\17,789エンゲル係数24.04%ソフトカロリー150kcal

総合のデータ晴れ男率57.14%訪問コスト\4,317/駅2007年1月6日現在
交通費\141,920訪問駅数71駅近畿達成率74.74%全国達成率8.55%
飲食代\76,204移動距離6,271.6km移動時間158.83h全行程時間274.77h
宿泊費\23,500平均速度39.5km/h表定速度22.8km/h駅滞在時間64.75h
入場料\6,650平均速度は移動にかかった速度、表定速度は乗継時間・駅滞在時間も含めた速度
遊興費\5,800歩数265,516歩歩行距離132.8km消費カロリー8,810kcal
土産物代\50,054温泉10ヶ所足湯3ヶ所ソフトクリーム23本
雑費\2,380費用合計\306,508エンゲル係数24.86%ソフトカロリー3,450kcal