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近畿「道の駅」ユーザーズくらぶ

道の駅レポート

さっさ〜の 2006近畿道の駅スタンプラリー奮闘記

第10回 播磨の国の道の駅をめぐる


金物の伝統を伝える道の駅

2006年11月12日土曜日、天気は見事な日本晴れ。一方で、北海道のサロマ湖周辺では大規模な竜巻被害も発生しており、最近の天候は少し異常である。これも地球温暖化の影響か。新長田から電車で西に向かい、加古川で300万人乗車大作戦を展開中の加古川線に乗換え。これは北播磨県民局が地域と連携して電化されて便利になった加古川線の利用促進運動をしているもので、その一環として西脇出身の芸術家、横尾忠則氏のデザインによるラッピング電車などを走らせたりしている。そのおかげか、本日も土曜日の早朝の割には乗車率がよい。厄神駅で三木鉄道に乗換え。三木鉄道はもと国鉄三木線だったが、1985年(昭和60年)に第3セクターの三木鉄道に転換された。厄神から終点の三木まで6.6qしかなく、つい最近までは3セク鉄道のなかでも最短であった(現在は2002年開業の芝山鉄道の2.2q)。

道の駅みき
道の駅みき
まばらな乗客を乗せて三木鉄道の気動車は厄神を出発。10分ほど走り、終点のひとつ手前の高木駅下車。短いホーム1本の簡素な無人駅を出て、雑木林沿いのうらさびしい道を15分ほどたどると眼前がぱぁっと開け、道の駅みきが現れる。時間はオープンの少し前だが、駅の軒先では一足先に朝市が開店しており、活気を見せている。

9時になり、道の駅オープン。入口では乗馬の衣装に身を包んだミニチュアの人形がお出迎えしてくれる。この駅の管理主体は三木ホースランドパークを運営しており、三木の自然を利用して自然と人と馬がふれあいを提供している。研修施設や宿泊施設も用意されており、総合研修施設という様相である。道の駅とは国道175号線をはさんで向かい側に位置している。乗馬に興味がある人はぜひ体験してみるとよいだろう。あいにく、小生は乗馬も競馬もあまり造詣が深くない。

三木で生産される金物
三木で生産される金物

さて、スタンプを捺すと、三木の歴史を語る上では欠かせない金物の図柄がデザインされている。三木といえば金物の町として、新潟の燕や三条と並んで有名で、大工道具の他、左官道具、農園芸具、砲丁、小刀などの特産品がある。しかしながら、金物産業も時代の要請につれて伝統的手工業から機械化による生産方法に進み、海外から安価な製品も入ってきて、古来から伝わる製法や金物製品等は失われつつある。そのため、市内には貴重な資料を収集・保存する資料館が建てられている。道の駅みきの2階にも金物展示館が設置され、三木金物の展示と販売が行われている。広い店内を見回すと、およそ一般の人が使わないようなプロ仕様の道具もあったりする。1階の駅の広場には三木金物の歴史が映像と実物展示で紹介されており、たいへん参考になる。土曜日の午前中には刃物研ぎの実演も行われるようだ。道の駅みきは刃物の伝統を今に伝えている。

ニュータウンで地場産業を伝える道の駅

道の駅みきから再び高木駅まで戻り、三木鉄道で一駅先の終点三木へ。古びた駅舎に開駅90周年記念入場券発売のチラシが貼ってあったので、駅員に「まだありますか?」と聞いたところ、「なんぼでもありますよ。」と威勢のいい返事が返ってきた。記念に1セット購入しておく。三木駅から500mほど東の三木本町バス停へ。ここから神姫バスで社営業所へ向かう。三木本町バス停の前には以前スーパーがあったのだが、そのスーパーは閉鎖されて今は更地になっている。バス停隣の雑貨屋でコーヒー1杯100円で提供していたので、バスを待つ間しばし世間話をする。客の多くは郊外の大型店舗に流れてしまい、三木の市街地はすっかりさびしくなってしまったとのこと。三木に限ったことではなく、全国的にそのような状況になっている。

ジャンボエビフリャ〜
ジャンボエビフリャ〜

神姫バス社営業所から三田行のバスに乗り、嬉野温泉口という、まるで九州に来たかのようなバス停を通り、横谷バス停にて下車。10分ほど歩くと道の駅とうじょうに着く。中国自動車道の東条ICに隣接しており、周囲は流通団地や宅地造成が進められている。駅名になっている「とうじょう」は元の町名である東条町に由来しているが、現在は平成の大合併で加東市となっている。京阪神からのアクセスがよく、東条湖など観光スポットやゴルフ場が控えているからだろうか、広い駐車場には車の出入りも多い。駅舎にはコンビにも同居している。お昼になったので、駅内のレストラン獅子銀で昼食。ジャンボエビフライ定食を注文すると、まことに大きなエビフライが1本、お皿の上にドカーンと盛られている。箸も付いているが、基本的にはフォークとナイフでいただくようだ。南の国からはるばるやって来た、と銘打ってあり、何と言う種類なのか、ちょっと気になるところではある。

釣針の産地として有名な東条
釣針の産地として有名な東条

食後は店内を散策する。物産館の天井には鯉のぼりが泳いでいる。東条は鯉のぼりの産地として全国的にも有名とのこと。明治時代から鯉のぼりの生産を始め、写実的で格調高いとして人気があるらしい。もうひとつ目に付いたのが釣針の販売コーナー。兵庫県産の釣針の全国シェアは約9割もあり、東条の釣針は多品種、高品質で県下第1位のシェアを誇っているということを初めて知った。そういえば、先ほどバスに乗っていたら針工業前というバス停があった。道の駅で釣針を売っているのは全国でもここだけかもしれない。実に多くの種類の釣針があるものだと感心。道の駅とうじょうはニュータウンの中にありながら、地場産業の振興に一役買っている、そんな感じがした。

由緒正しき和紙の文化を伝える道の駅

横谷バス停から社営業所まで戻り、西脇行きのバスに乗り換える。ついに神姫バスの回数券が終了した。スタンプラリーで神姫バスを利用するのも今日が最後になるので、補充はせずにおく。終点西脇は旧鍛冶屋線の西脇駅跡。駅の痕跡は全く残っておらず、駅跡にホテルやコミュニティースペースが設けられた立派な施設が建っている。鍛冶屋線は1990年(平成2年)3月に廃止されたローカル線で、野村(現西脇市駅)〜鍛冶屋間13.2qを走っていた。バスを待つ間に旧鍛冶屋線の跡を少したどってみた。旧線路跡は一部道路に転用されているものの、大部分が遊歩道として整備されている。加古川方面に明らかに線路跡とわかる遊歩道が伸びている。少し進んでみると道路と交差するところに旧線路跡が少し顔をのぞかせていた。

和紙製造中。豆腐作りではない。
和紙製造中。豆腐作りではない。

西脇を出発した山寄上(まよりがみ)行きバスは旧鍛冶屋線跡に寄りそうように進む。旧鍛冶屋駅跡を出て、国道427号線を走るうちに、次第に山が迫ってきた。あたりに人家が少なくなって心細くなって来た頃に道の駅R427かみが現れる。バス停は杉原紙研究所。道の駅向かいは青玉神社の広大な杉林が広がっている。国道をこのまま進んで播州峠を越えれば青垣に出られるが、峠を越える路線バスは運行されていない。道の駅の名前になっている「かみ」は地名の加美と杉原紙の両方を兼ねたもの。杉原紙とは初めて聞く名前だが、歴史と伝統がある。加美町北部の杉原谷で紙が漉き始められたのは7世紀頃というからずいぶん古い。一時は300軒を超える製紙業者がいたそうだが、明治時代には産業転換が進み、大正時代には杉原谷での紙漉きは途絶えてしまう。その後、昭和40年代に入って復元の機運が高まり、昭和47年に町立の杉原紙研究所が設立され、本格的な再興が行われるようになり、今日に至っている。

道の駅R427かみ
道の駅R427かみ
ここで漉かれた紙は宮内庁御用達で、宮内で開催される歌会始めに使用されているというから畏れ入ったり。道の駅の横には杉原川が流れており、対岸に杉原紙研究所と杉原紙の再興に尽力した文学博士の寿岳文章を記念して作られた和紙博物館がある。研究所では紙の原料となる楮(こうぞ)を加工中であった。50キロの原料から1.5キロの杉原紙ができるとのこと。原料も見せてもらったが、外皮を剥いだ楮はかんぴょうの様である。

さて、道の駅では伊勢神宮に献上する兵庫認定米こしひかりの出発式を明日に控え、準備の真っ最中である。宮内庁御用達の杉原紙といい、伊勢神宮献上のこしひかりといい、なかなか格調高い。物産館では杉原紙をカット売りしていたので、いくつか買い求める。レストランも併設されていて、地鶏を使用した定食などが味わえる。こちらは車留満(シャルマン)とちょっと小洒落た名前である。山間の小さな道の駅ではあるが、歴史と文化に満ち溢れた道の駅である。

研究所から西脇行の最終バスを待っていると、雨が降ってきた。第4回以降続けてきた晴れ男記録は途切れることとなった。(第10回・了)

第10日目行程表

2006年11月12日(日)

新長田(718)−[4419B]須磨(723/725)−[快速705K]加古川(758/816)−[1327S]厄神(828/832)−[三木鉄道1119]高木(844/845)−[Walk]道の駅みき(855/925)−[Walk]高木(935/943)−[三木鉄道121]三木(944/945)−[Walk]三木本町(950/1031)−[神姫バス・西脇営業所行](1104/1120)−[神姫バス・三田行]横谷(1145/1148)−[Walk]道の駅とうじょう(1203/1255)−[Walk]横谷(1310/1314)−[神姫バス・社行](1339/1353)−[神姫バス・西脇営業所行]西脇(1415/1444)−[神姫バス・山寄上行]杉原紙研究所(道の駅R427かみ)(1542/1648)−[神姫バス]西脇(1804/1810)−[神姫バス・三ノ宮行]三ノ宮(1951/2000)−[217B]新長田(2008)

注:ダイヤは2006年11月12日現在のものです。お出かけの際には事前に関連機関にご確認ください。

データハウス

第10日目のデータ天候晴のち雨体調良好2006年11月12日
交通費\5,160訪問駅数3駅近畿達成率3.16%全国達成率0.36%
飲食代\2,114移動距離227.3km移動時間8.10h全行程時間12.83h
宿泊費\0平均速度28.1km/h表定速度17.7km/h駅滞在時間2.47h
入場料\100平均速度は移動にかかった速度、表定速度は乗継時間・駅滞在時間も含めた速度
遊興費\0歩数11,598歩歩行距離5.8km消費カロリー385kcal
土産物代\1,500温泉0ヶ所足湯0ヶ所ソフトクリーム1本
雑費\0費用合計\8,874エンゲル係数23.82%ソフトカロリー150kcal

総合のデータ晴れ男率60.00%訪問コスト\3,665/駅2006年11月12日現在
交通費\71,810訪問駅数40駅近畿達成率42.11%全国達成率4.82%
飲食代\36,626移動距離3,008.6km移動時間82.73h全行程時間136.32h
宿泊費\8,900平均速度36.4km/h表定速度22.1km/h駅滞在時間31.73h
入場料\4,150平均速度は移動にかかった速度、表定速度は乗継時間・駅滞在時間も含めた速度
遊興費\0歩数129,430歩歩行距離64.7km消費カロリー4,294kcal
土産物代\24,596温泉4ヶ所足湯3ヶ所ソフトクリーム15本
雑費\509費用合計\146,591エンゲル係数24.99%ソフトカロリー2,250kcal